昨日速報で伝えたように無事Molokai Hoe 2010を完走しました。初めてのKaiwi Channel, モロカイ島、初めてアウトリガーカヌーでの海峡横断レース、島から島まで渡る事、すべてが最高の経験で。。。言葉にできません。でも日本で応援してくれているかたも沢山いるしこの経験をできるだけ色んな人に知ってほしいので。。。長くなると思いますが興味がある人は読んでください:)
前日-10月9日2010年
フライト:
僕たちKailua Canoe Clubやハワイのチームはあまり早くMolokai入りをする必要がないのでレース前日や金曜日にモロカイ入りします。
今年Kailua Canoe Club Open Mens Programの2チームは小さい航空会社のチャーター便を借り、モロカイへ向かいました。このTrans Airという航空会社のパイロットが以前Kailua Canoe Clubで漕いでいた人という事で今年も前年と同じくスポンサーしてもらい安くで航空券をもらいました。普通の航空会社と違いチャーター便のいいとこは:
- セキュリティーチェックがないので大量の水なども持ち込める
- チェックインできるバッグの制限がないのでレースで必要なキャンバス、パドルなども有料ではなく無料で持ち込める。
- 離陸10分前に空港についても余裕です。
ということでとっちかというとバスみたいな小さい飛行機でモロカイ島へ向かいました!フライトは短くたった20分ぐらいでモロカイ島へつきました。
Rigging and setting up the canoe:
Molokai島へついたら大きいバンが2台僕たちをピックアップしにきてレースサイトのHale O Lonoへ向かいました。Hale O Lonoへの道は40分ほど赤土で砂ほこりがすごくまいていました。僕たちはバンの中だったので大丈夫でしたが。。。トラックの荷台に乗っているチームもい、砂だらけになってかわいそうでした 笑
Hale O Lonoにやっとついてびっくりしたのは本当に田舎で何もないとこだということ。本当にカヌーが121艇あるだけでスピリチャルなものを感じました。
自分たちのカヌーを見つけてからカヌーのリギング、ベーラーを2番、3番、4番のガンネルにつけ、スプラッシュガードやいろいろとカヌーをセットアップしました。
ちょうど僕たちがこれをやっているときに茅ケ崎カヌークラブの皆もHale O Lonoにいたので
挨拶していました。日本から今年もチームが参加していてよかったです。タヒチのチームやTeam Primo, Livestrong, Outrigger Canoe Club, Outrigger Australiaなどもいてモチベーションが上がりました 笑
リギングが終わるとHale O Lonoを出て公園へ。できるだけ変にお金をかけたりジャンクフードを食べないようにOahuのCostcoでハムやターキー、レタス、マヨネーズ、食パンなどを買ってクーラーボックスに保管していた材料でみんなでサンドイッチを作って食べました。
Hotel Molokai:
昼を食べ終わってからはMolokai Townのスーパーへ行って朝ご飯を買って僕たちの宿泊先のHotel Molokaiへ行きました。このホテルはすごくキレイで過ごしやすかったです。写真を取ったので何枚か載せます。
(モロカイのSouth Sideの水は赤土のせいで海岸沿いの水が赤いらしいです。
(レース前日になってやっともらった今年のユニフォーム 笑)ホテルについてから夜まで暇だったのでまだ時間が速いからいいかという事でワインとビールをプールサイドでみんなで数杯飲みました 笑
夕飯はホテルのレストランで。。。価格が高くてみんなびっくり。皆1番安いパスタを選んでいました。食事中も基本パドリングの話し。僕のテーブルは皆Kamanuで働いている人達だったのでカヌーの話しなどでもりあがりました。僕たちKailua Open Mens Programは18人中9人がKamanuに関わりがあります 笑
前夜ミーティング:
食事後は皆でコーチの部屋に集まり前夜ミーティングをしました。監督のHankがモチベーションをあげるような話しや明日必要な事を伝えてくれました。
- 彼が言うにはOC-1はOC-6とまったく違う。OC-1は体重が軽くて筋量が多い人が有利だという。確かにOC-1は10kgちょっとのカヌーを軽い人が乗って漕いだ方がカヌーも軽いし有利だ。逆にOC-1は体が大きすぎてパワーがすごくあっても軽くてOC-1が漕げる人にはかなわないと言う。しかしOC-6はまったくの別物。OC-6を漕ぐ時は200キロのカヌーを6人で動かす。なので体が細くてOC-1が速いだけじゃだめ、OC-1は遅いけどパワーがあるパドラーの方が必要だといいます。しかもカヌーが重いのでなによりもタイミング、みんなでカヌーを滑らせる事が1番重要だと教えてくれました。これは確かに僕もハワイにきて思いました。OC-1で速いのも有利ですが体が大きくOC-1が遅い人でもOC-6ではすごいパドラーの人は沢山います。
- カヌーが走っていない時はカヌーの中の誰かが漕げていないかとか色々と原因を見つけようとするのではなく一人一人自分の漕ぎを直せという事。誰かのせいだと攻め始めても何も変わらない。自分より漕げない人がいるならそのピッチに合わせるとか漕ぎをフォローしやすくするように変える必要がある。でも何が合っても他の人を攻めるな。自分を攻めろといわれました。それを聞いて確かにそうだなと思いました。
- 最後に監督が僕たちになぜうちのクラブで1番OC-1で速くてハワイでもトップのLukeがOC-1が速いかについて皆の前で語りました。Lukeは自分の食事、栄養などを気にしたりYogaもしているがなによりも誰よりも練習をしている。速い原因は他に説明できないと言っていました。そうすうとチームメイトがLukeが速いのは誰よりもハートが大きいからだと言いました。だれよりも勝つ事にこだわりカヌーに乗ったら毎回全力を尽くしているしさぼりはしないからだと言っていました。
- Luke自身に皆で聞くと自分は速くなりたいから練習しているだけでどうせ練習するんであれば100%毎回尽くした方がいいからだと言っていました。彼が言うにはレースで1秒や1分で負ける事があっては絶対にいけない。なぜかというと1秒や1分なんて技術の問題ではなく気持ちの問題だからだ。彼が常にレース中意識しているのはレースが終わった後に死ぬぐらいの気持ちで漕いでいるか。レースが終わって倒れそうでないと言う事は死ぬ気で漕いでいないから。これを聞き僕はびっくりしました。アメリカで「死ぬ気」でなにかをするとかそういう事を聞いた事はなかったけど初めてここで聞きました。これを聞いてぼくも常に『死ぬ気で全力を尽くす」ということを意識しようと思いました。
- 最後にHankが哲学者のソクラテスの言葉を僕たちに説明してくれました。有名な話しなので皆さん知ってるかもしれないけど知らない方はこちらで読んでください。
ハワイに来て知った事は本当に速い人は誰よりも努力しているしメンタル面もそうとう強いという事です。
その後に翌日のレースのスターティングメンバーの発表がありました。スタートメンバーは第1チェンジを行っていい場所まで30−40分ほど漕がなきゃいけません。最初のチェンジのとこですごく混雑するのでスタートではできるだけ前に出たいという事で全チームベストメンバーでスタートします。僕は3番でアレックスは5番のスターティングメンバーになりました。
ミーティングが終わり全員のモチベーションが上がり夜22時にはみんな部屋で寝ていました。
当日-10月10日2010年
Hale O Lono and Pule:
朝は5時にスクールバスでHotel Molokaiを出発だという事で4時に起きました.朝ご飯はハワイに来てからレース前や練習前によく食べるオートミール。腹持ちが良く消化にもいいそうです。
Hale O Lonoに到着すると会場はパドラー、取材のカメラなどで一杯です。僕たちはカヌーの最終確認をしてファーストクルーとエンジンをくみました。最後にはレース前の開会式。
主催者のOHCRA代表の人が全パドラーに感謝の気持ちを込め挨拶をしていました。今年はハワイ、タヒチ、アメリカだけではなくロシアやドイツ、イタリアなどからもチームが参加していたそうです。最後にはPule(お祈り)をしました。僕はこの瞬間鳥肌がたちやっと今までずっと夢にみていたMolokai Hoe, Kaiwi 海峡を漕げるんだと感動しました。
Molokai Hoe:
レースはスタートラインに全チーム並び、僕たちは1番インサイドの場所で並んでいました。そしたらスタート時刻8時の3分前だったのに急にレースがスタート。スタートはダウンウィンドでHawaii Kai Runみたいな乗りやすいうねりでした。僕たちはいいスタートができファーストチェンジまではLivestrong 2nd Team, Team CaliforniaやLanikai 2nd Teamと競っていました。
Molokai海岸沿いの最後のポイントのLa'au Pointを過ぎたらファーストチェンジが可能なので伴走艇が自分たちのカヌーを探そうとして海はうねり、風波、伴走艇の引き波で大荒れ。やっと僕たちのエスコートボートが見つかりファーストチェンジをしました。
このレース、僕はずっとダウンウィンドのレースだと思っていましたがレースはほとんど横か後ろ斜めからの風波とうねりだらけ。それに乗れたらよかったのですがそれに乗るとOahuを逃してしまうので大きいうねりにドロップインするというよりも少し乗って繋ぐという感じでした。
この日のコンディションはKaiwi海峡はここ5年間で1番荒れているコンディションだったそうです。風とうねりはパーフェクトだったのですが潮がずっと逆だったのでうねりのサイズが倍になりほれているうねりのような感じでした。逆潮が強く白波だらけ。多分トップ10位ぐらいのチームは逆潮でも問題なくうねりに乗っていたのですが僕たちは時々乗れるぐらいで。。。大変でした。
僕は今回のレースアレックスとパートナーで一緒にカヌーに入り一緒にエスコートボートに乗る感じでした。エスコートボートに乗っていても船がひっくり返るというようぐらい荒れていたし。。。Kaiwi Channelの凄さをしりました。
正直夢中になって必死に叫びながら漕いでいたのであっという間に感じました。僕たちは北側のコースを取り、レース中に他のカヌーはほとんど見えなかったです。それでダイアモンドヘッドに近づくと他のチームがいっぱい合流して競り合い。最後のダウンウィンドのDiamond沖で僕はカヌーに入り、全力で漕ぎました。いいうねりを何本か繋ぎオーストラリア選抜のTeam Australiaを抜き最後のチェンジへ。僕とアレックスはそこで交代して伴奏艇でフィニッシュ。Waikikiについて本当に感動しました。アドレナリンのせいか最初はゴールしてもまったくきつくなかったです 笑
僕たちは結局121チーム中32位。初のMolokai Hoeにしては最高だと思います。今年はレベルが非常に高く、トップ10に入ったのはタヒチの6チーム、ハワイの3チーム、オーストラリアの1チームです。その中でこの結果は嬉しいです。
Molokai Hoeの結果はこちらから。僕たちは32位のKailua Canoe Club #2です。
レース後:
フィニッシュについたらKailua Canoe Clubの女の子達がテントや食事、ビールなどをセットアプしてくれていました。そしたらアレックスの親と僕の母、母の友達のトモさんがお迎えにきてくれてました。わざわざきてくれて嬉しかったです!
その後は。。。いろんなパドラーたちとビールを飲んだりご飯を食べたり。。。結局レースは2時には終わっていたのに6時まで飲んでいました。でもレース後の楽しみもMolokaiレースの1部なのだなと思いました。
感想:
このレースを終えて思った事は沢山ありますが。。。1番はこの海峡、このレースの凄さを知りました。海も凄いけどチームの速さも半端じゃない。
後1番思ったのは日本のチームからこのレースに出るのであれば各クラブで目指すのではなくTeam Japanで出ることです。経験するには各チームで出るのもいいですがやっぱり戦って世界のパドラーになめられないためにはTeam Japanででるしかないと思いました。Molokai Hoeでは9人パドラーが必要です。その9人全員似たレベルじゃないとチェンジしていて絶対いいコンビネーションと悪いコンビネーションが生まれてしまう。なので日本から漕げるパドラーを9人集め、合わせて出場することが必要です。その為には日本の各クラブのプライドを捨てて協力する必要があると思います。じゃないとスポンサーも集まらないし大金払ってきついレースになるだけです。1回経験するためのレースは必要ですが僕は次からは「経験するため」のレースではなく『勝負するため」のレースをしたいと思いました。
という事で2010 Molokai Hoe, は以上です!
これからは数日間休んでOC-1の練習にいどみたいと思います!
Paddle With Aloha,
Kenny
*Kailua Canoe ClubのFirst TeamはKamanuの社長でもありハワイでも有名のパドラーのLuke Evslinに伴奏艇のプロペラがあたり大けがをしてフィニッシュできなかったのです。ファーストチェンジの時に起こったのでカヌーに乗っていた6人は伴奏艇なしでHawaii Kaiまで漕ぎきりました。多分チェンジなしでフィニッシュまで漕いでいても60位ぐらいで入ってきてたようなタイムでした。
LukeはヘリコプターでMauiへ運ばれ手術をして今は入院していますが笑顔で大丈夫です。神経や内蔵も運良く切られていなかったのでよかったです。
見ての通りMolokaiレースは海が荒れているので何がおこるか分かりません。Team Primoの選手もウォーターチェンジを行う際に大きい波がカヌーを揺らし肩を脱臼したり昨日のレースではケガ人が十名以上でたようです。
僕はLukeのおかげでハワイに来られているようなので。。。皆さんLukeのためにお祈りしてあげてください。彼ほどAlohaな人間は今までに会った事がありません。